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CARNIVAL

花粉症、去年より楽かも!Ariciaです。

 

 今回はCARNIVALの感想と考察です。不世出の天才、瀬戸口廉也氏がシナリオを務めており、また氏のデビュー作となります。ですが、やはり瀬戸口節はしっかり表れていましたね。SWAN SONGやキラ☆キラほど万人受けが良いとは思えない作品となっています。物語全体に迸る暴力、虐待、嘘・・・。クソッタレなこの世界で彼らは何を思うのか。

 相変わらず、瀬戸口氏は作品世界あるいは登場人物たちの世界を、徹底的に「クソッタレ」として描いています。だからこそ、人物たちの世界に対する考えや反駁が、対比となって美しく感じられる。それが氏の三部作に貫かれていると思います。まあ、他の2作品とは一味違っていて、このゲームは過去最大の鬱ゲーですけどね。

 テーマは「幸せ」とか、「生きるか死ぬか」とか。

 この作品の後日談を描いた続編、いわば完結編が小説として発売されたのですが、絶版のためどうしようもない高値でamazonで売ってます。転売屋には屈しません。

 

ストーリー

 高校生の木村学は、いじめにあっていた。人気のない場所に呼び出され、三沢という男の先輩からは、殴る蹴るの暴行。志村という女からは数々の暴言と侮辱。二人の攻撃は日常化していた。人間関係を面倒なものだとして、一切自分から人と関わりを持とうとしない学には、味方はいなかった。また、彼は必要としてもいなかった。そしていじめは彼の人生にとって珍しいものではなかった。

 そんな彼に関わろうとする人がいた。幼馴染の九条理紗である。彼女は才色兼備でさらに、陸上部で活躍している上、優しくて社交的。彼女は学校のアイドル的存在であり、学とは対極にいるような子であった。そんな彼女は学の様子の変化に気づき、何かあるんじゃないかと彼に尋ねる。三沢の暴力はバレにくい所ばかりに向けられていたため、一見すると気づかない。学は理紗を避けようとするも、彼女は独自に聞いて回り、三沢の存在にたどり着いた。

 ある日、学はいつものように三沢に呼び出され、屋上へ向かう。するとそこには、三沢と話をしている理紗がいた。彼女は、三沢が学に危害を加えていることを知っていたのだ。理沙は学にいじめのことを問う。学は黙りこくる。やがて理紗はヒートアップし、三沢に詰め寄る。苛立った三沢は、彼女に敵意を向ける――。

 学が気づくと、そこには血まみれで屋上のアスファルトに横たわる三沢と、下半身の下着をつけていない理紗の姿。彼女は気絶していた。学の服は血で汚れている。その血は自分のものではないのだった。

 学は警察に逮捕された。事情聴取が始まるが、彼は何も覚えていないのだ。実は彼には、ショッキングな出来事や嫌なことがあるとその前後の記憶を失くしてしまうことがよくあるのだった。話せることは何もない。取調べは滞り、彼は別の場所に護送されることになった。だが、その護送中にパトカーが交通事故を起こしてしまう。警察の隙をついて、学は脱走した。行く当てのない逃亡の中、学は理紗のハンカチを借りたまま持っていることに気づく。いじめで怪我をしたときに彼女が貸してくれたものだった。

 ハンカチを返さなきゃ。

 逮捕され、人生が終わるのも時間の問題だ。ならば、せめてハンカチを返そうと彼は町に戻ってくる。町は夏祭りの活気に色づいていた。数日前に、二人で一緒に夏祭りに行こうと理沙と約束したことを学は思い出す。彼女が来ることを願いつつ、茂みに隠れて様子を窺う学のところに理紗が現れる。学と会うために来たのだ。

 二人は夏祭りを少し味わう。そして、理紗は学を家に匿ってあげると言った。父親は海外出張で、母親と弟は実家に帰省中なのだという。衣食住が保証された今、学にするべきことは2つある。事件の真相の解明と、志村への復讐だ・・・。

 

感想

 とてつもない鬱ゲー。

 学と理紗は暗い過去を背負っているし、二人の人生には現在進行形で苦しみがあふれ出す。二人だけじゃない。志村の妹だってそうだ。きっと学の母親だって、皆だってそうなんだ。詳しくは本編を見てもらいたいですが、二人は「生きていれば幸せになれる」、「自分なりの幸せを探して行こう」などとは決して思っていません。もちろん嬉しいことはこの先あるだろう。だけどそれは結局刹那的なものであって、薄らいでいってしまう。幸せなんて掴めないし、幸せにもなれないんだ。学はそう思っているし、現実はどうやらそのとおりに推移しているのでした。なんとも救いがないですが、これが鬱ゲーたる所以です。

 作品には暴力が溢れている。殴る蹴るもそうだし、性的なものもたくさんある。女性の人権を踏みにじりまくりですわ。狂人としての学を描き出すためなのでしょう。そういったものが苦手な人はやめましょう。また、登場人物は皆頭がおかしいです。普通じゃないです。ある意味被害者とも言えるんですけど。キ○ガイだらけのゲームなんですが、言動は一見するとまともに見えてしまう。

 3章構成で、最終章が一番良いです。理沙の視点で物語が語られ、ヒロイン自身についてが明らかになっていきます。心理描写をごらんあれ。

 瀬戸口氏の3作品で一番とがってるし、評価が分かれそうな作品だと思います。他のSWAN SONGとキラ☆キラの2作品をやって、めっちゃハマったらこの作品をプレイしましょう。いきなりこれやるとびっくりしちゃうかも。

評価

★★★★☆

鬱度

★★★★★

最凶です。

 

以下ネタバレです。クリックで展開します。

 

author:Aricia, category:-, 20:44
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